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・開業する前にしておかなければならないこと(2012.08.11)





読者の方から、たびたび相談を受けます。『 開業したいのだけれど、やっていけますかねぇ‥。』
開業を決意していても、後押しをしてほしいのでしょう。
『だいじょうぶですよ!何とかなりますよ!』と励ますことにしています。
確かに開業すれば何とかなります。しかし、「何とかなるまで」 にはチョット苦労をしなければなりません。
開業して1年半、準備不足・情報不足で「チョット苦労しました」。
それを書き留めておきます。これから開業する方は参考にしてください。


勢いで開業、すぐに後悔
「なぜ開業するのか」をハッキリさせる
「売るもの」はあるか?
「売れるまで」持ちこたえられるか?
「盗るな、チクるな、違反をするな」
ゆっくり開業、なめらかなスタート


     
1.勢いで開業、すぐに後悔


警備業を開業するのは簡単で費用はかかりません。
自分自身が指導教育責任者資格を持っていて、自宅を事務所にするのなら10万円もかかりません。
しかし、開業しても仕事がなければ生活することができません。

警備業が世間に知られるようになってから40年以上。
現在、全国の警備業者数 6千、警備員数 53万6千人で横ばい。
警備業界は飽和状態になり、価格競争やつぶし合いの段階を迎えています。

行政・立法に影響力をもつ警備業者たちが自分たちの利益を守るために動きます。
配置義務の強化、資格取得の厳格化、警備業法違反での摘発。
最近の 「プール監視は警備業務」通達」 も「プール監視業務から警備業者以外の者を排除する」ためでしょう。

婿養子になって警備会社を引き継ぐ場合や “ のれん分け ” をしてもらって開業する場合、スポンサーがついている場合は別にして、
まったくのゼロからスタートする場合はそれなりの覚悟と準備が必要です。

『支社長だ゛CEOだといっても、所詮 “ 雇われ警備員 ” !俺は警備員ではなくて警備業者なんだ!』
こう叫んでみても、生活できなければ意味がありません。

「焦って結婚、ゆっくり後悔 」 という言葉がありますが、警備業では 「勢いで開業、すぐに後悔」 ということになります。
すぐに後悔しないために、心と環境を準備しておきましょう。

    
2.「なぜ開業するのか」をハッキリさせる


まず開業の目的をハッキリさせましょう。
・収入を増やしたい
・自由な時間が欲しい
・新しい警備商品を売りたい
・会社の方針に我慢ならない
・誰にも縛られずに自由にやりたい

しかし、これら全てを満たすことできません。

・収入を増やしたければ自由時間はなくなります。
・新しい警備商品は売れるまでに時間がかかり、それまで金をつぎ込まなければなりません。
  当然、自由時間と収入は減ります。
・我慢ならない会社の方針でも、その会社はその方針で利益を上げています。
・会社に縛られて不自由であるから、ある程度の給料と休日をもらえるのです。

開業すれば金を出すのも時間を費やすのも自分です。
誰にも縛られずに自由にやれますが、 損失はすべて自分に回ってきます。

 『そんなことは覚悟の上ですよ!子どもじゃあるまいし十分承知していますよ!』

安心しました。

それでは、あなたの開業目的を忘れないようにしてください
そして、運営と生活に行き詰まって精神的に追い込まれたとき、その開業目的を思い出してください。

人間、特に男は弱い生き物です。
追い込まれてしまうと、ついつい安易な方策を選んでしまいます。
知らず知らずのうちに開業の目的から外れていくことがあります。

開業の目的を外れれば開業した意味がありません。
行き詰まったとき、どちらの道を選ぶのか迷ったとき、開業の目的を思い出してその方向に進んでください。

「二点間の最短距離は直線ではなく夢である」
迷わず、常に自分の夢に向かって進みましょう。

開業の目的をはっきりさせることはそのために必要なのです。

    

3.売れるものはあるか


警備業は「警備員の行う警備」を売る仕事です。
販売する商品 (警備) がありきたりのものであれば、製造力・販売力で勝る既存警備会社や大手警備会社に負けてしまいます。
既存警備会社や大手警備会社と互角に戦うためには、販売する警備商品の品質が良いだけ足りません。
その技術性が高いものでなければなりません。

一般車なら、製造コストと販売力でトヨタに太刀打ちすることできません。
しかし、スポーツカーや電気自動車なら技術力で戦うことができます。
オーダーメイド・ハンドメイドのスペシャルカーなら、その特殊性で町工場でも不動の地位を得ることができます。


次に、販売する商品が技術性・特殊性の高いものでも、それを自分で製造できなければなりません。
他から仕入れてそれを売っていては利益を出すことができません。

「製造する」とは「警備員を育てる」ことです。
技術性・特殊性を持った警備員を育てるためには、自分自身がその警備技術を持っていなければなりません。

つまり、「自分がやることのできる警備」 が「自分の売ることのできる警備商品」 なのです。

「自分のやることのできる警備」 が 「ありきたりのもの・誰でも簡単にやれるもの」なら、開業は時期尚早でしょう。


なお、特殊性は警備技術にある必要はありません。
『どんな仕事でも受けます。必要な分だけ、いつでも、どこへでも、何人でも出します。』

急に入ったイベント警備で明日の人数が足りない。
顧客から 「深夜の2時間だけの警備」 を押しつけられた、行ってくれる隊員がいない。
また、あの客からの注文か‥。あんなきつい仕事はウチの隊員にやらせられないなぁ‥。

こんなときに、電話一本ですぐに現場に駆けつけてくれる警備会社があったら便利です。
警備会社の “ お助けマン ” です。

顧客は 「とにかく頭数が足りればよい」 ので、隊員の質に文句をつけません。
隊員は “ 立っているだけ ” でよく、特別な警備技術は必要ありません。
しかし、そんな隊員でも 多人数を常に待機させていなければなりません。
そして、彼らが 「いつでも、なんでも、どこへでも」命令一つで動いてくれなければなりません。
そのためのノウハウが必要です。

これも特殊性のある警備商品だと言えますが、特殊すぎて一般的ではありません。
※この警備商品は 「ハイエナ営業になって行き詰まる」 危険があります。

やはり、警備技術の特殊性で勝負した方がよいでしょう。
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選任のための法律知識・








4.売れるまで持ちこたえられるか


a.「売れる商品」でも、すぐには売れない


あなたはある警備会社に所属しています。
あなたには特殊性のある警備技術があります。
その分野での信用と実績もあります。
営業活動での実績もあります。

そのあなたが独立開業して営業にでかけます。

迎えてくれた知り合いの顧客は暖かく面談してくれます。
『独立したんだってねぇ!元気そうじゃないか!』

あなたは仕事の発注を頼みます。
担当者は 『検討してみるよ!』
あなたは、 『まず一件確保だな‥。』 と喜びます。

仕事はやってきません。
なぜでしょう?

担当者はあなたの実力を十分承知しています。
しかし、それは警備員としての実力なのです。
あなたの作り上げた信用と実績は所属していた前警備会社あってのものなのです。

あなたはもはや警備員ではなく、警備業者なのです。
担当者にとって、あなたは独立したばかりの何の実績も信用もない警備業者なのです。

担当者は『腕利きの隊員を揃えているのかな?問題が起こった時に適切に処理できるのかな?』と不安になるのです。
少なくとも、既存警備会社に問題がないのに、既存警備会社からあなたに変える必要はないのです。
もし、あなたが問題を起こせば、上役から 『なぜ、何の実績もない開業したばかりの警備業者に仕事を任せたんだ!』と責任を問われるのです。

あなたのできることは「待つこと」だけなのです。

既存警備会社の失敗を待って、お声がかかったときにすぐに動く。
そしてあなたの実力を見せる。
ここで初めてあなたの警備会社の実績と信用が一つ積み上がる。
その実績と信用を一つ一つ積み上げていかなければならないのです。

あなたは「すぐに動ける準備をして出番をじっと待つ」ことしかできないのです。


b.思った以上に金がかかる


開業にかかる費用は隊員用の装備品や認定料、事務所開設運営費用だけではありません。
仕事を受注して利益がでるまで自分自身が生活していかなければならないのです。

生活費って、食費や光熱費だけだと思っていませんか?
「自宅にいるし、自分一人なら月に10万円もあれば大丈夫だ」と思っていませんか?

サラリーマン警備員のときは給与明細など見たこともないし、預金通帳の記帳などしたことがないでしょう。
市民税と国民保険料を忘れていませんか?
これらの高いこと高いこと。

市民税と国民保険料は前年度の収入を基準にして算出されます。
中小警備会社の中間管理職の給料は25万~30万円。
これで、県民・市民税が年間20万円程度、国民保険料は月に4万円くらいになります。。
これだけで、月に軽く5万円を超えます。

これに生命保険・傷病保険を含めれば月に8万円以上。
固定資産税もあります。
車の保険料もあります。

食費や光熱費以外で月に「プラス10万円」
開業したばかりで仕事が入らず収入ゼロ。
それでも月に20万円が出ていく。

もちろん、一年経てば市民税や国民保険料は安くなります。
しかし、最初の一年を過ごすのには最低 250 万円かかります。

開業費以外にこれだけの金を準備しておかなければなりません。


c.アルバイトはできません


『なぁに、いざとなったら警備員のアルバイトをすればいいさ‥。他社の制服を着るのを我慢すればいいさ‥。』こう思っていませんか?

どこの警備会社が警備業者であるあなたを雇いますか?
あなたは競争相手なのですよ。

『警備員がだめなら、配達でも清掃でもやるさ‥。』

社会はそんなに甘くはありません。

自分で開業している者はこれから先ずっと勤めてはくれません。
採用しても、 『急に仕事が入りましたから、アルバイトをやめさせてください。』と突然言い出す危険があります。
就職難で求人への応募が多いのに、そんな不安定なあなたを採用する必要はないのです。

それに、アルバイトをしていたら警備業務の発注があったときにすぐに対応することはできません。
最初の仕事をすぐに受けられなければ二度と仕事は回ってきません。

『本業が優先だ!アルバイト先の迷惑など考えていられるか!』
アルバイト先にこんな不義理をしたら、あなたの警備業者としての信用はなくなってしまいます。


d.つなぎの仕事を準備する


『そんなメチャクチャな‥。毎月20万円出ていく、アルバイトもできない、じっと待つだけ‥。』

そのために “ つなぎの仕事 ” を準備するのです。

『えっ? 「警備員としてはどこも雇ってくれない」のじゃなかったのですか?』

ここでいう “ つなぎの仕事 ” とはあなたが警備業者として仕事を受けることです。

 『‥、 「待つことしかできない」 のじゃ‥。』

あなたの売ろうとしているメイン商品とは違うでしょうが、公共調達なら待たずに確実に仕事が取れます。


公共調達は一年一回、値段勝負。

大きな調達では警備業者としての実績や規模が参加条件(要件)となりますが、小さい調達ではそれらは必要とされません。
開業したばかりでも等しく土俵に上がることができます。

この公共調達を取れば一年間持ちこたえることができます。

1ポストの仕事ならあなた一人でやることもできます。
隊員を1名雇って、15日持たせれば、あなたは15日間自由に動けます。

収入もありますから「持ちこたえられる期間」が伸びます。

その年にメイン商品が売れなくても、次の年にまた公共調達をとってじっと待つことができます。

ただし、前に説明したように開業したばかりの警備業者が参加できる公共調達では利益はでません。→→→こちら
あなた自身の日当が稼げるという程度のものです。
しかし「収入なし」よりはましです。


e.公共調達参加の準備


開業して最初に受注しなければならないのは公共調達です。
そのための準備をしておかなければなりません。


イ.開業時期を調整する


公共調達に参加するためには参加資格が必要です。→→→こちら
参加資格を申請するためには警備業の認定が下りていなければなりません。

認定申請から認定までだいたい1カ月。
参加資格申請から資格取得までは国(各省庁)・都道府県で1カ月。
市町村で1カ月~6カ月。
※市町村で期間に巾があるのは、市町村によって 「参加資格が認められてから資格者名簿に載るまでの期間」 が異なるからです。

自分の参加しようとする調達を決め、その調達が行われる時期に参加資格を持っている (参加資格者名簿に記載されている) ようにしなければなりません。
3月入札なら、早くて9月、遅くても年末には会社を退職しなければなりません。

この時期を失すると公共調達参加は一年先になります。


ロ.参加要件を調べる


国の参加資格には等級があります。
なんの実績もない開業したばかりでは、最低ランクのD等級です。

最近ではこのD等級締め出しが行われています。
『既存警備会社との癒着だ!』 と叫んでみても貧乏人の声はお役人に届きません。
その調達がD等級でも参加できるものかどうか調べておきましょう。

都道府県や市町村の参加資格に等級はありません。
しかし、「過去〇年間に同等以上の物件を受注して誠実に履行したこと」が要件になります。
総合評価制といって、実績に加えて会社規模の大きさが要求されることもあります。
開業したばかりでは実績がなくこれらの調達には参加できません。

実績がなくても参加できる調達を捜しましょう。


ハ.検定資格が必要


どの調達でも現場責任者に検定2級が要求されます。

自分が検定2級を持っていないと、2級資格者を雇わなければなりません。
それだけ費用がかかるし、もし雇えなければ業務を履行することはできません。
落札しても業務を履行できなければ入札資格停止となります。

施設警備でやるのなら施設警備2級、交通警備でやるのなら交通2級。
開業する者にとってこれは絶対に必要な資格です。


ニ.指導責資格は1号と2号が必要


施設警備しかやるつもりがなくても2号の指導責資格は必要になります。
交通警備・雑踏警備しかやるつもりがなくても1号の指導責資格は必要です。

施設警備を受注して 『ついでに駐車場もやってよ』 という注文を受けたとき、
スーパーの駐車場警備を受注して 『店の常駐警備もやらないか』 と打診されたとき、
『ありがとうございます。やらせていただきます。』 と即答できないからです。

『いやぁ‥、そちらの方の資格を持っていないので業務届をしていないのですよ‥。』
これでは、仕事を拡張していくことができないし、警備会社としての信用が下がってしまいます。

それどころか、『それなら、どちらもやってくれる警備会社に頼むよ‥。』 と、せっかく受注した仕事まで取り上げられてしまいます。


指導責資格を取るためにはその警備業務での実績が3年必要です。
あなたが1号資格で警備業を始めた場合、2号業務はできないのだから何年たっても2号資格を取ることはできないのです。
警備会社にいる内に1号資格と2号資格を取っておかなければならないのです。


ホ.公共調達には契約保証金が必要


契約保証金とは 「受注した業務を最後までしっかりやること」を保証するために、警備業者が発注先に供託する保証金です。
ちゃんと履行すれば契約期間が終わったときに返還されます。当然、無利子です。

だいたい契約金額の10%。

国の調達では免除されるのが一般ですが、都道府県や市町村の調達では免除されません。

年間500万円で1年契約なら契約保証金は50万円、3年契約なら150万円です。
分割はできません。契約時に現金で準備しなければなりません。

ただし、「過去〇年に同種事業を〇回受注して誠実に履行した実績がある場合」は契約保証金が免除されます。
しかし、開業したばかりで実績はありませんから、契約保証金が必ず必要になります。


f.助成金・公的融資を活用する


労働局には各種助成金制度があります。→→→こちら
各市町村にも助成金制度があるかもしれません。

私は使わなかったので内容を知りませんが、使えるものは使った方がそれだけ楽になります。
申請期間・申請条件などがあるでしょうから、とにかく相談に行くことです。


公的融資で有名なのが日本政策金融公庫の創業支援融資です。

政府が新たに事業を始める者を応援してくれる制度です。
担保なし・保証人なし・最長5年返済・利率3.8%。
ただし、融資は最大「自己資本の2倍」まで。
創業計画書や事業見通しを提出し面接を受けることが必要です。

契約保証金はこの融資を使えばよいでしょう。
これも、とにかく相談に行くことです。
   ★★08     
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5.会社を退職するとき・退職してから絶対にしてはいけないこと-「盗るな・チクるな・違反をするな」


これは開業準備とは直接関係ありませんが注意しておきます。

a.顧客と隊員を盗るな


所属していた会社の顧客と隊員を盗ってはいけません。

たまに、 「顧客と隊員を持ってくるから、雇ってくれ」 と警備会社に売り込みにくる者がいます。
そんな話に乗る警備会社も警備会社ですが、もし話に乗ってくれても、顧客と隊員を盗られてお役御免です。

隊員と顧客はその警備会社のものです。
その警備会社は金と時間をつぎ込んで隊員を育て仕事を取ったのです。
それを横取りして楽をしようなどと思ってはいけません。

そんな姑息な考えでは品質の良い警備はできません。

会社を辞めるときは裸で辞めなければなりません。
特に開業するときは「ゼロから始める」決意がなければなりません。

所属していた会社とは競争相手になります。
正々堂々と商品の良さで勝負しましょう。


b.会社をチクるな


警備会社は多かれ少なかれ警備業法違反や労働基準法違反をしています。
もっと大きな違反をしていることもあるでしょう。
警備会社の管理職になればそれが分かります。

それを関係各署に密告して、「鬱憤を晴らしてやろう」と思ってはいけません。

そんなことをしても、何の得にもなりません。
それどころか、かえって自分の信用を下げてしまいます。
『あんた、あの会社にいたンだってねぇ‥。』 


そんな会社は放っておいても、違反が明るみに出て潰れてしまいます。

あなたが愛想をつかせた会社でも、一宿一飯の恩義があります。
その会社があなたに愛想をつかさせてくれたから、あなたは独立開業を決心したのです。
あなたが独立できたのは、その会社のおかげでもあるのです。

そう考えて、辞めた会社と係わるのはやめましょう。
最後の給料から選任現任講習の受講料が差し引かれていても、笑って済ませましょう。


c.警備業法違反をするな


開業したばかりの警備業者は既存警備業者にとってうっとうしいものです。
特に警備業協会にも入らない一匹狼は既存警備業者のコントロールがききません。

当然、潰しにかかります。

だから、絶対に警備業法に違反してはいけません。

『このくらいは前の警備会社でも平気でやっていたから‥。』それが命取りになります。


それから、会社を辞めるときには必ず所轄警察署の生活安全課にあいさつに行きましょう。

『あいさつなんかいかなくてもいいよ。こちらから重役があいさつにいくから。』
こんな会社の言葉に甘えてはいけません。

重役があいさつに行こうと行くまいと、お世話になった生活安全課にあなたがあいさつに行くのは当然のことです。
それに、あなたが会社を辞めた後も、ずっとあなたが選任のままにされていたら、あなたは警備業法違反の片棒を担ぐことになるのです。

    
6.ゆっくり開業、なめらかなスタート


以上をまとめてみましょう。

・開業の目的をはっきりさせてそれを肝に銘じる。
・特殊性・技術性の高い警備技術を身につける。
・開業資金の他に250万~300万円を用意する。
・次の公共調達を取れるようにする。
・1号・2号の検定資格と指導責資格を取る。
・助成金・融資を活用する。

これだけ準備すれば開業しても順調なスタートをすることができます。

『そんなこと‥、早く教えてよ!もう会社を辞めて開業申請をしてしまったよぉ!』


そんな方へのエールです。

警備会社もいろいろ、魚屋さんもいろいろ。
商社・水産会社から大手スーパーで店を構える専門店。
奥さんと二人でやっている下町の魚屋さん。

『いいですねぇ、下町の魚屋さん。金はないけれど魚のイキではどこにも負けない!』

いえいえ、あなたはまだそこまでになっていません。

あなたは自転車の荷台にトロ箱をくくりつけて行商している魚屋さんです。

あなたを待っているお客さんの笑顔を楽しみにして、雨の日も風の日もペダルを踏みましょう。
おいしい魚を売っていれば、いつか必ず評価されます。

そして自転車がスーパーカブになり軽トラックになっていきます。
下町に魚屋さんを開くこともできるでしょう。


人はみな人生という一定の時間を与えられています。
苦労することは充実感を与えてくれます。
人生の価値を「生きたという充実感」で計るなら、苦労はありがたいものなのです。

苦労を嫌がる必要はありません。
苦労は楽しめばいいのです。


つづく。




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