SPnet・保安-フロントブレーキのエア抜き。「地道にコツコツ・ひたすら我慢」では事態は好転しない。


FJ1200・4CC整備資料



2015.10.10  今までに一番苦労したエア抜き - 「レバーがスカスカ」からの脱出法


ブレーキフルードのエア抜きで、キャリパの中を空にした場合、定番は「最初は上から」・「あとは下から」。

まず、レバーを動かして気泡をリザーバの方へ誘導して抜く。
次に、レバーを握ってオイルラインに圧をかけ、気泡をフルードと一緒にブリードバルブから吐出。

しかし、気泡が出なければ圧はかからない。
圧がかからなければ気泡は出ない。
レバーはスカスカ。

さあどうする?

答えは「ひたすら我慢のレバー握り。必ずレバーは重くなる。」

そう思っていました。

しかし、これは間違いなのです。


FJについては、今までにブレーキとクラッチフルードのエア抜きを三度行っています。

一回目はフロントキャリパオイルシール交換・キャリパ分解のとき。
「レバースカスカ」からの脱出方法は「ひたすら我慢のレバー握り」→→→ こちら

二回目はブレーキオイル交換でキャリパのフルードを全部抜いたとき。
「レバースカスカ」からの脱出方法は「ひたすら我慢のレバー握り」。
このときは、3時間でレバー圧が70%に。
そして、レバーを縛って一晩放置で、ほぼ100%。

三回目はクラッチレリーズ分解でのエア抜き
このときに気泡吸い出し法を見つけ、「レバースカスカ」から簡単に脱出。

以来、気泡吸い出し法に自信を持っていました。


この自信があったから、今回のブレーキホース交換でキャリパのフルードを全部抜きました。

しかし、「気泡吸い出し法」はフロントブレーキに通用せず、定番の「ひたすら我慢のレバー握り」。

今回はあまりにも時間がかかるので、「レバースカスカ状態の時間とレバー操作回数・吐出回数」を記録しました。

その結果は、

・所要時間合計:8時間15分
・上からのエア抜き:20分
・下からのエア抜き正味時間:6時間
・ブリードバルブからの吐出回数(片側キャリパ):467回
・レバー操作回数:1708回(片側キャリパ)
・ブレーキフルード消費量 1000㏄(オイルライン全容積 約70㏄)。※フルードは使い回し。

重ねて言いますが、これは「レバーに圧がかかるまでの時間」ではありません。
「レバースカスカ状態の時間」です。

この間、下から出たのは「ニュ~ッ」と元気のないフルードだけで気泡は一個も出ていません。


そこで、方法を変えました。

そして、吐出回数24回(片側キャリパ)でレバー圧を40%にすることができました。

あとは、「レバー縛り・一晩」を繰り返して「完全100%」に。

あの、8時間は何だったのでしょう。
レバー操作3400回は何のためだったのでしょう。

ここでは、「レバースカスカからの脱出法」を検証します。


1.「気泡吸い出し法」はフロントブレーキには通用しない。


「気泡吸い出し法」はブリードバルブにシリンジ(注射器・浣腸器)をつなぎ、ブリードバルブを開けてキャリパ内の気泡を吸い出す方法です。

ブリードバルブからも空気を吸いますが、これと一緒にキャリパ内の気泡も吸い出せます。

吸い出した空気はシリンジの上に貯め、フルードだけをキャリパに注入。

これを繰り返せば、キャリパ内の気泡がなくなり、レバーに圧かかかるようになります。

レバーに圧がかかれば、通常の「下からエア抜き」がやれます。


しかし、これができるのはキャリパの構造が簡単で容積の小さいクラッチやリヤブレーキだけ。

クラッチはピストン室が一個で容積が小さく構造が簡単。

 リヤブレーキはピストン室が二個で容積が大きくなり構造もやや複雑になります。

 しかし、左右のピストン室に別々にブリードバルブがついています。

 だから、ピストン室が一個の場合と変わりません。


これに対し、フロントブレーキはピストン室が四個で容積が大きく、構造も複雑になっています。

 キャリパの構造が複雑だと、
 内部に閉じ込められた気泡を吸い出すのに大きな吸引力が必要です。
 つまり、シリンジで強く吸引しなければなりません。

 シリンジで強く吸引すると、
 ブリードバルブの周りからたくさんの空気が入ってきます。

 結局、出てくるのは「吸い込みやすいブリードバルブの周りの空気」だけ。
 吸い出しにくいキャリパ内の気泡は出てきません。

 シリンジをゆっくりと引っ張り弱い力で吸引すれば、
 ブリードバルブ周りの空気を吸い込みませんが、
 吸引力が弱いので、出てくるのはフルードだけ。
 キャリパ内の気泡は出てきません。


『それでは、キャリパ内のフルードを気泡ごと全部吸い取って、そのあとフルードたけを注入すれば?』

それは、「フルードを全部抜いて、またフルードを注入すること」と同じです。
当然、フルードを再注入するときにキャリパ内に空気が残ってしまいます。

以上のように、気泡吸い出し法は構造が複雑で容積の大きいフロントキャリパには通用しないのです。


2.「地道にコツコツ・ひたすら我慢」は間違い


今回、8時間の徒労のあとに方法を変え、下から気泡が出たのは。レバー圧40%になるまでで合計6~7個(片側キャリパ分)

つまり、たった6~7個の気泡が出ればレバー圧は40%になり、「一晩縛り」にもっていけるのです。

逆に言えば、6~7個の気泡を出さなければ「一晩縛り」ができないのです。

「圧のかかっていないレバーを握って、ブリードバルブを開ける。ニュ~と力なくフルードだけが出てくる」

「上からも気泡が出ない、下からも出ない、圧もかからない」

これをどれだけ繰り返してもレバーに圧はかからないのです。

気泡を出さない限りレバーに圧はかからないのです。


ではどうすれば良いのでしょう。

その前に「なぜキャリパ内に空気が閉じ込められるのか」を考えてみましょう。


3.キャリパに空気が閉じ込められる理由


下の写真はFJの右フロントキャリパです。

・a:ユニオンボルト穴。リザーバからのフルードはここからキャリパ内に入ります。
・b1:外側下ピストン室  b2:外側上ピストン室  c1:内側下ピストン室  c2:内側上ピストン室
・d:ブリードバルブ
・水色線:通路

 (ブリードバルブからフルードを注入する場合)
 ※ブリードバルブを開けてシリンジで注入、リザーバタンクが一杯になるまで。

 フルードの経路は二つ
 ① d → b1 → a
 ② d → c1 → c2 → b2 → a

 ①は経路が短く、入っている空気が少ないので必要注入圧がが低い(簡単に入る)。
 ②は経路が長く、入っている空気が多いので必要注入圧は高い(なかなか入らない)。

 d から注入されたフルードはすぐに①の経路を通り、a から出てリザーバを一杯にする。
 その結果、c1 ・ c2 ・ b2 に空気が残ってしまう。
 ※d から入ったフルードは①と②に分かれる。、
   ②で c1 を満たしているときに 、①では b1 を満たし aから出てリザーバを目指している。
   ①で a に達したフルードの一部は b2 に向かうので、②の経路は塞がれてしまう。
   そして、c1 ・ c2 ・ b2 にあった空気は全部キャリパ内に閉じ込められてしまう。
 


(リザーバタンクからフルードを注入する場合)
※リザーバタンクのフルードを、ブリードバルブを開けたままレバー操作で注入。ブリードバルブからフルードが出てくるまで。

フルードの経路は二つ。
① a → b1 → d
② a → b2 → c2 → c1 → d

ここでも、フルードは通りやすい①を通ってブリードバルブに達し、c1 ・ c2 ・ b2 にあった空気は全部キャリパ内に閉じ込められてしまう。


このようにキャリパ内に空気が閉じ込められるのは、フルードの流れる経路が二つに分かれているからです。

もし、経路が一つでフルードが各ピストン室を順番に満たしていくのであれば、
各ピストン室の空気も順番に押し出していくのでキャリパ内に空気は閉じ込められません。

しかし、フルードの流れる経路が一つだと、
ブレーキをかけたときにピストンが順番に出ることになりブレーキが効くまでに時間がかかります。

フルードの流れる経路を二つにしているのは制動時間を縮めるために必要なことで避けることはできないのです。



なお、リザーバから注入する場合もブリードバルブから注入する場合も、c1 ・ c2 ・ b2 の空気が残ってしまいます。

しかし、リザーバから注入する場合は「リザーバ~キャリパ」までの空気もキャリパの中に押し込んでしまいます。

これに対し、ブリードバルブから注入する場合は、
「キャリパ~リザーバ」までの空気はをフルードがリザーバに向かって押し出してしまいます。

だから、フルード注入はブリードバルブからやる方がよいでしょう。


4.キャリパのピストンを押して気泡を押し出す


もう答えが分かりましたね。

そうです、ビストン室に閉じ込められた空気を出せばよいのです。

方法は簡単。
キャリパを外してピストンを縮める。

具体的には、
・ブリードバルブは閉じたまま。
・キャリパを外してブレーキパッドの間にマイナスドライバーを差し込み、こじるようにしてピストンを縮める。
・フルードが押し上げられるので、リザーバタンクからフルードがあふれない様に注意(一杯になったときはフルードを吸い取る)
・ピストンがある程度縮んだら、ウォータープライヤーを使ってピストンを完全に押し込む。
・キャリパを取り付けて、レバー操作。
・フルードがピストン室に入っていきピストンが出て、カタカタだったブレーキパッドがデスクにしっかりと食いつく。しっかりとした手応えがレバーに。
・下からエア抜き。

・一回目で必ず2~3個の気泡が出ます。(二回目は出ませんが念のために二回目も実施)。
※ピストン室から押し出された空気のほとんどは元のピストン室に押し戻されますが、一部はブリードバルブの方に押し出されます。
  その空気が「2~3個」の気泡。
・気泡が2個出ればレバー圧は1割アップ。

・「キャリパ取り外し→ピストン縮め→キャリパ取り付け→下からエア抜き二回」
これを3~4度繰り返すと、レバー圧が40%~50%になります。

なんと、吐出片側8回でレバー圧が50%になるのです。

「ひたすら我慢のレバー握り」はまったく必要ないのです。


4.フロントブレーキエア抜きのベスト方法


『質問です!』

どうぞ。

『キャリパに閉じ込められる空気はピストン室にあったものなのですよねぇ?』

そうです、c1 ・ c2 ・ b2 にあった空気のほとんどと b1 にあった空気の一部です。

『えっ? b1 にも空気が残っているのですか?』

b1 は ① d → b1 → a の経路にあり、b1にあった空気はフルードによって a に押し出されてしまいます。
しかし、フルードは粘度が高いので、ピストン室の隅々にまで行き渡ることができません。
だから、b1 にも空気が残ってしまうのです。

『とにかく、ピストン室にあった空気が閉じ込められてしまうのですよね?』

そうです。


『それなら、フルードを注入するときにピストンを縮めておいたらいいじゃないですか?
  ピストン室が狭ければ、それだけ閉じ込められる空気も少なくなり、あとあとのエア抜きが楽になりますよ。』

その通りなのです。

次に説明する方法が、「フロントキャリパを空にした場合のエア抜き」でベストだと思います。

ただし、実際にやったわけではありませんからベストでなかったらご容赦ください。


(ベスト方法)

①左右キャリパを外して各ピストンを一杯に縮め、取り付ける。

②ブリードバルブを開けてシリンジでフルードを注入
  ※リザーバタンクが開放されオイルラインは開かれているから、圧はかからずピストンが出てくることはない。
  ※オイルライン全容積の半分ずつを左右のキャリパに入れる。(FJなら35㏄)
    片側キャリパのブリードバルブからリザーバが一杯になるまで注入すると、もう一方のキャリパから注入するときにリザーバのフルードを吸い取りながらやらなければならない。

③リザーバタンクが一杯になったらブリードバルブを閉じる。

④上からエア抜き。
  ※オイルラインが閉じられているので圧がかかり、ピストン室にフルードが流れ込みピストンが出る。
  ※リザーバのフルードを切らさない様に注ぎ足す。
  ※リザーバへの気泡上がりが一段落したら「下から気泡抜き」に入る。

⑤レバー圧がかかっていれば、試しに「レバー握り→ブリードバルブ開け」をやってみる。
  ※気泡が出れば、出なくなるまで「下から抜き」
  ※レバー圧がかかっていなければ、すぐに⑥へ。

⑥「キャリパ取り外し→ピストン縮め→キャリパ取り付け→下から抜き2回」
  これをレバー圧50%になるまで繰り返す。(3~4回でOK)

  ここまでの目標時間は2時間。

⑦「レバー縛り一晩放置→下から抜き2回」を気泡が出なくなるまで繰り返す。
  ※これで完全100%。4~5日かかります。


⑧その他

・8Mメガネは二本用意する。

  エア抜きキャリパを変えるたびに、メガネとホース取り外しは面倒です。
  作業時間短縮とブレーキフルード撒き散らし防止のために、もう一本のメガネを準備しましょう。

・ブレーキレバーの遊びは最小限にする。

  弱いレバー圧を少しでも強くできます。
  レバー圧が100%に戻ったら通常の遊びに戻します。そうしないと「一晩縛り」でマスターシリンダーに過度な負担をかけることになります。


5.「不要・不急」を避ける


キャリパのフルードを抜くと、エア抜きをして圧を完全に元に戻すまでに4~5日かかります。

だから、キャリパのフルードを抜かないでできる作業は抜かないでやるのが得策です。


(ブレーキフルード交換)

①ブリードバルブを開ける。
②フルードを注ぎ足しながら、レバー操作で新しいフルードを圧入。
③古いフルードが追い出されたら(必要フルード量を継ぎ足したら)終了。

オイルラインに圧がかかっているので、フルード注入が楽にできます。
キャリパ内のフルードは切れ目なく流れ、キャリパ内は常にフルードで満たされているのキャリパ内に空気を閉じ込めることがありません。

キャリパ内のフルードを抜く必要はまったくありません。


(ブレーキホース交換)

①リザーバタンクのフタ(ダイヤフラム)を閉じたまま、キャリパからホースを外す。
  ※ホースの片側(リザーバタンク)が閉じられているのでフルードが流れ出ることはないが、念のためにホース口にウエスを当てる。

②リザーバタンクのフタを開けてフルードを排出。

③古いホースをマスターシリンダから外し、新しいホースをマスターシリンダに取り付ける。
  ※キャリパには取り付けない。

④新しいホースのキャリパ側に栓をする。

⑤リザーバをフルードで満たし、フタをする。

⑥新しいホースの栓を外し、レバー操作でフルードを新しいホースに入れる。フルードが出てきたらOK。

⑦新しいホースをキャリパに取り付ける。

※④~⑥をしないと、ホース内の空気がキャリパに入ってしまう。

⑧交換した側のキャリパのブリードバルブを開けて下からフルードを注入。
  ※キャリパ内のフルードは抜いていないのでキャリパピストンを縮める必要はない。

⑨リザーバタンクが一杯になったら、「上からエア抜き→下からエア抜き」
  ※キャリパ内に空気はほとんど入っていないので、レバー圧は充分にあるはず。「縛り・一晩放置」で充分。

なお、今回のように「リザーバ~分岐までのホース」を交換する場合も、
「リザーバ~片側キャリパまでのホース」を外し、その中のフルードを抜いて「リザーバ~分岐までのホース」を交換した方がよいでしょう。

それは「リザーバ~分岐までのホース」を外してやるより、「取り外し・取り付け作業やフルードが漏れたときの処置」がやりやすいからです。


以上の方法はまだ試していませんので実効性がなくてもご容赦ください。


(キャリパ分解)

この場合はどうしようもありません。

キャリパの中は空になります。

エア抜きに時間がかかることを覚悟しましょう。


6.10.18 追記    いつまで続く「一晩縛り」


a.一週間続けても変わらない


「40%圧」になってから一晩縛りをした結果です。

・「一晩縛り」で ①右/3個,左/大小5個  ②右/4個,左/細かいのが多数,  ③右/5個,左/6個,  ④右/大小たくさん,左/大きいのが2個   
・⑤50㎞走行後、24時間縛りで 右/1個,左/大小各1個。
・⑥「一晩縛り」で 右/大中5個,左/大中3個。
・⑦「二晩縛り」で 右/中小たくさん,左/大大2個。

もう一週間以上も気泡が出続けています。
毎回、気泡が出るのは最初の一回目。あとは何回やっても出ません。

いつまで続くのでしょう?

一晩縛りで出た気泡の合計は、
右:3+4+6+3(評価)+1+4(評価)+3(評価)=約24個
左:3.5(評価)+1.5(評価)+6+3+1.5(評価)+2.5(評価)+3(評価)=約21個

40%圧までが6~7個なら、「+60%」は10~10.5個。
「100%圧」になるまでに11個出ればOKのはず。
もう、その二倍以上が出ています。

もちろん、「40%圧」は感覚によるものです。
また、気泡の容積の違いがあるので、単純に気泡の数だけでは比較できません。

しかし、一晩縛りでは一晩の内にリザーバーの方へ抜けた気泡もあるはずで、その分もプラスされます。

それに、「100%に近づいていく」のなら、一晩縛りで出る気泡の数は回を追って減ってくるはずです。
ところが、出る気泡の数とその元気さはいつまでも変わりません。

これらを総合すると「どこかおかしい」と考えなければなりません。


b.どこがおかしい


考えられるのはオイルラインのどこかから空気を吸っていること。

一晩縛りの間はオイルラインに圧がかかっているので、空気を吸うことばありません。
しかし、気泡出しのときにレバー操作をするので空気を吸うことができます。

もし、「一晩縛り・気泡出し」で「オイルラインに気泡なし(レバー圧100%)」になったあと、さらに一晩縛りで気泡が出たら空気を吸っていることになります。


では、「オイルラインに気泡なし(レバー圧100%)」の基準は何でしょうか?

平成2年のCR125・サービスマニュアルP15-2に次のようなことが書いてありました。

 「フロントブレーキアジャスター(レバー遊び調整ネジ)の隙間を1.0㎜以下にして、
   レバーの(レバー先端の)遊びが30㎜以上の場合、
   又は、ブレーキペダルのストロークが30㎜以上の場合は、
   エアが入っている可能性があるためエア抜きを行う」※(  )内は加筆。

 つまり、
 「レバーがマスターシリンダに当たってからブレーキが完全に効くまでに
   レバー先端が30㎜以上動くときはエアが入っている(レバー圧100%ではない)」ということです。
 ※同マニュアルP3-10に「隙間とレバー先端の遊びの比率は1:7である」と記載されているので、
   厳密には「隙間1.0㎜分のレバー先端遊び7.0㎜」を差し引いた23.0㎜になります。


 これをFJについて「一晩縛り・気泡出し」のあとで調べてみると、
 レバーがマスターシリンダーに当たってから、精一杯握って25㎜~30㎜。30㎜がmaxです。
 ※写真ではレバー下端がスケールの右側100㎜から125㎜~130㎜まで。

 FJのブレーキレバーはCR125のブレーキレバーより長いことを考えると、
 この状態で「レバー圧100%になっている」と考えてよいでしょう。

 それなのに、次の一晩縛りでなぜ元気に気泡が出るのでしょうか?


また、「一晩縛り・気泡出し」のときに新たにエアーを吸っているのなら、そのエアーの一部がリザーバーに上がってくるはずです。

そう考えて、レバー操作をするとリザーバーには細かい気泡が。

やはり、エアーを吸っていると考えなければなりません。


c.ユニオンボルトの増締め


エアーを吸う場所は、マスターシリンダーかホース取り付け部(マスターシリンダー,パイプ分岐,キャリパ)。

一番怪しいのがマスターシリンダー。

「地道にコツコツ・ひたすら我慢」で酷使しましたからネ。

しかし、まずは簡単なユニオンボルト増締めから。

指定トルクは3.0㎏・mと大きくありませんが、今回交換したブレーキホース取り付け部はアルミでユニオンボルトはスチール。

銅ワッシャを挟んでいるけれど、アルミとスチールの相性が悪いかもしれません。

マスターシリンダーとホース分岐のユニオンボルトにメガネを当てて「ぐっと頑張って、心持ち手前で」。
指定トルクの倍を超えているでしょう。

ついでに、指定トルクで締めてあるキャリパのユニオンボルトも。
右側は「グッ~」と、左側は「パキッ」と。
もちろん、締め過ぎです。

増締めのあと、レバー操作。
リザーバーに気泡が浮かんでこなくなりました。

少し期待。

これでダメならマスターシリンダー交換です。


どこからかエアーを吸っているのなら、走っている内にだんだんとレバー遊びが大きくなるはず。

一晩縛りに少々嫌気が差してきたので、しばらくこのまま様子を観ることにしました。

進展があれば追記します。


ついでだから、リヤブレーキのフルード交換もかねてエア抜きをしてみました。
2年くらいメンテしていません。

結果は、
・外側ブリードバルブ:一回目/大2個,小3個、二回目/超極小気泡がたくさん、三回目/なし。
・内側ブリードバルブ:一回目/大1個,小3~4個、二回目/なし。

多分、どこからか空気が入ってくるのでしょう。

やはり、定期的なメンテは必要ですね。


d.2015.10.22 追記   まだ出る気泡


(やはり出ました)

上記より、100㎞程度走ったあと一晩縛り。

下抜きの前にレバー操作。
リザーバタンクへの気泡上がりなし。

前回の「ユニオンボルト増締め」に期待。

しかし、元気に気泡が出ました。
⑧100㎞走行後「一晩縛り」:右/大大×2、左/大小2個(右より少ない)
※左右とも二回目・三回目は気泡なし。

気泡を抜く前と抜いた後でレバー遊び変わらず。


(ついでにRMX②のフルード交換)

いつ交換したのか記憶がありません。

・フロントリザーバタンク内のフルードは飴色。
・試しに下からエア抜き:一回目で細かい気泡がたくさん。二回目・三回目なし。
・レバー操作のたびにリザーバーに「ポコン」と気泡一つ。100回以上やっても変わらず「ポコン」。
  これはレバー操作のたびに、マスターシリンダーから吸っている空気でしょう。
  マスターシリンダーから空気を吸っても、リザーバーへ抜けるのなら問題はありません。

・リアリザーバータンク内のフルードも飴色。
・試しに下から(ブリードバルブから)エア抜き:一回目/大大大が1個(ブリードバルブを締める前に戻っていくような長い気泡),二回目/細かい気泡がたくさん。三回目/なし。
・押し出した古いフルードは透明感がなく濁っていた。(フロントは濁りなし)


(疑問:ブレーキラインの出口や入口にエアーが溜まるのは仕方がないことなのか?)

以下、疑問点です。

・ブレーキ操作の(レバーを放す)たびにキャリパピストン(オイルシール)から空気を吸う?
・キャリパピストンから吸った空気の一部は、ブレーキ操作の(レバーを握る)たびに外に排出される?
・一部はブレーキ操作の(レバーを握る)たびにブリードバルブの方へ押される?
・使っていれば(ブレーキを使えば)ブリードバルブの付近に空気が溜まり、下からエア抜きで気泡が出る?
・しかし、走っていないのに「一晩縛り」で気泡が出続けるのはなぜ?

・マスターシリンダー側から空気を吸っても、リザーバーから出て行くから気にしなくてもよい?
・吸った空気がオイルライン(ブレーキライン)の方に押し込まれても、その後のブレーキ操作や時間経過でリザーバーの方へ戻って抜けていく?

・ブレーキラインエア抜きの目的は、「レバー操作とブレーキの効きがダイレクトにする」ことで、ブレーキラインから完全にエアを抜くことではない?


(現時点での方策)

・FJについては、一定走行距離(200㎞)ごとに「レバー遊び」をチェックして「エア抜き」をして記録する。
・RMX②についても同じ。




7.余談


 今回のエア抜きでフロントホイールとずっと顔を突き合わせていました。

 ホイール表面の腐食や汚れが気になります。

 それらをサンドペーパーとスチールウールで落として、銀色ペコ缶を刷毛塗りしました。

 結構きれいになりました。

 出来ばえを喜んでいると、佐川急便さん。


先週の日曜日に落札したFJの前後ホイールが到着しました。

3CVから取り外した「振れなし」・「程度良し」です。

「タイヤはおまけ程度」とのことでしたが、8分程度あり硬化・劣化もしていません。

落札価格は フロント/1100円,リヤ/1100円,送料/1950円。→→おすすめ出品者:Miyabee さん

もちろん、このホイールは使いません。ストックします。

FJに特にこだわっているわけではありません。

しかし、「フレームとメーターとフロントホーク」を入手すれば一台組めるくらいの部品をストックしています。

「リッターバイクで一番安いから」
これがFJとのなれそめ。

年月を重ねるうちに愛着が出てきたようです。

人と人との出会いも同じかもしれませんね。



つづく



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