SPnet 選任業務編



法定備付書類/教育計画書・教育実施確認書・指導計画書と指導実施確認書-2019年改正対応教育計画書ダウンロード





東京オリンピック・パラリンピックで警備員数が急増するので警備業法施行規則が改正され(令和元年内閣布令第24号)、2019年12月14日から施行されました。
改正の中心は「前期・後期の教育期を合わせて教育期を1年にしたこと」・「教育時間を少なくしたこと」です。
一般警備員の新任教育は「基本教育と業務別教育を区別せずに合計20時間以上」、現任教育は「基本教育と業務別教育を区別せずに1年に10時間以上」。
資格者,経験者についても教育時間が少なくなりました。
本年度(2019年度)の教育計画書は従来の「2019年前期教育計画書」・「2019年後期教育計画書」だけでなく「改正に対応した2019年度の教育計画書」が必要になります。
「改正に対応した2019年度の教育計画書」は2020年3月15日までに作成して営業所に備え付けなければなりません。
この点についても説明してあります。
また、SPnetで使う「改正対応の教育計画書」を作成しましたのでリンクしておきます。適宜改変して使ってください。
施行規則を改正するくらい警備員が急増して、そのあとどうなるのでしょう?
2025年の大阪万博までにはずいぶんと時間があります。
そう言えば、前の大阪万博は1970年(昭和45年)、まだ警備業法は制定されていませんでした。
年月の経つのは早いものです。「青年よ大志を抱くな!」、あっと言う間に老人になります。


指導教育責任者の仕事(法律の定め)
警備員教育
教育の種類
教育の内容
教育の方法(2019年改正)
教育期・教育時間(2019年改正)
2020年3月15日までに備え付けておかなければならない書面(2019年改正)
教育のできる者(教育実施者)-もう一度確認しておきましょう。
教育計画書・教育実施簿作成上の注意。2019年改正対応の教育計画書例と教育実施簿例
警備員指導は努力義務。指導計画書例と指導実施簿例

     


1.指導計画書,教育計画書,教育実施確認書(教育実施簿)は備え付け書面


a.法律の定め


・「警備業者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、警備員の名簿その他の内閣府令で定める書類を備えて、必要な事項を記載しなければならない。」(警備業法45条)

・「法第45条 の内閣府令で定める書類は、次のとおりとする。
    ④警備員に対する指導に関する計画を記載した指導計画書
    ⑤教育期ごとに、警備員教育に係る実施時期、内容、方法、時間数、実施者の氏名及び対象とする警備員の範囲に関する計画を記載した教育計画書
    ⑥教育期ごとに、警備員教育に係る実施年月日、内容、方法、時間数、実施場所、実施者の氏名及び対象となつた警備員の氏名を記録し、
      指導教育責任者及び実施者がこれらの事項について誤りがないことを確認する旨を付記した書類」(警備業法施行規則66条1項4・5・6号)

警備業法施行規則 → こちら

このように、④指導計画書、⑤教育計画書、⑥教育実施確認書(教育実施簿)は備え付け書面です。


b.指導教育責任者の仕事


・警備員の教育と指導は警備業者の責務です。

「警備業者は、その警備員に対し、警備業務を適正に実施させるため、
  この章の規定によるほか、内閣府令で定めるところにより教育を行うとともに、必要な指導及び監督をしなければならない。」(警備業法21条2項)

・ただし、実際に警備員の教育・指導を行うのは指導教育責任者です。
  警備業者は指導教育責任者を雇って、警備員の教育・指導をさせて警備業者としての責務を果たすのです。

「警備業者は、営業所ごと及び当該営業所において取り扱う警備業務の区分ごとに、
  警備員の指導及び教育に関する計画を作成し、その計画に基づき警備員を指導し、及び教育する業務で内閣府令で定めるものを行う警備員指導教育責任者を、
  次項の警備員指導教育責任者資格者証の交付を受けている者のうちから、選任しなければならない。」(警備業法22条1項)

この規定から、指導教育責任者の仕事は、
・警備員の指導に関する計画作って、その計画により警備員を指導すること。
・警備員の教育に関する計画を作ること。
・内閣布令(警備業法施行規則)で定める教育業務を行うこと。

・これを受けて、内閣布令(警備業法施行規則)は次のように指導教育責任者の仕事を具体的に定めています。

「法第22条第1項の内閣府令で定める業務は、次のとおりとする。
  ①第66条第1項第4号に掲げる指導計画書を作成し、その計画書に基づき警備員を実地に指導し、及びその記録を作成すること。
  ②第66条第1項第5号に掲げる教育計画書を作成し、及びそれに基づく警備員教育の実施を管理すること。
  ③第66条第1項第号に掲げる書類その他警備員教育の実施に関する記録の記載について監督すること。
  ④警備員の指導及び教育について警備業者に必要な助言をすること。」(警備業法施行規則40条)


以上から、指導教育責任者の仕事(課せられている義務)は、
①.警備員の指導計画を作って、それに基づき警備員を自ら現場で(実地に)指導し、その記録(指導実施簿)を作成する。
②.警備員の教育計画を作って、それに基づいて行われる警備員教育を監督する(実施を管理する)。
③.法定備付書面(教育計画書・指導計画書,教育実施確認書含む)がちゃんと作られているか監督する(記載について監督する)。
④.警備員の教育と指導について警備業者に必要な助言をする。
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2.警備員教育-教育計画書・教育実施簿


教育については警備業法施行規則38条で、「種類・内容・方法・時間・時期・担当者」など事細かに決められています。
教育計画書はこれに基づいて作らなければなりません。

    
a.教育の種類

警備員教育は基本教育と業務別教育と必要に応じて行う教育の三種類(※新任教育と現任教育と必要に応じて行う教育の三種類ではありません。)
これは教育内容からの分類です。
・基本教育 → 1号~4号共通。警備員としての教育
・業務別教育 → 各号別々。その警備業務を行うときに必要な教育
・必要に応じて行う教育 → 各号共通・各号独立を問わず、必要な教育

「法第二十一条第二項の規定による警備員に対する教育(以下「警備員教育」という。)は、
  基本教育、業務別教育並びに必要に応じて行う警備業務に関する知識及び技能の向上のための教育とする。」(警備業法施行規則38条1項)

    
b.教育内容

その教育内容も「施行規則38条2項・3項」で具体的に定められています。

例えば、1号警備・新任教育の内容は

(新任教育の基本教育(1号~4号共通) → 5項目
①.警備業務実施の基本原則に関すること。
②.警備員の資質の向上に関すること。
③.警備業法その他警備業務の適正な実施に必要な法令に関すること。
④.事故の発生時における警察機関への連絡その他応急の措置に関すること。
⑤.護身用具の使用方法その他の護身の方法に関すること。

(新任教育の業務別教育1号) → 5項目
⑥.警備業務対象施設における人又は車両等の出入の管理の方法に関すること。
⑦.巡回の方法に関すること。
⑧.警報装置その他当該警備業務を実施するために使用する機器の使用方法に関すること。
⑨.不審者又は不審な物件を発見した場合にとるべき措置に関すること。
⑩.その他当該警備業務を適正に実施するため必要な知識及び技能に関すること。

ただし、
・「関すること」を教育すればよいだけで「具体的な内容」は定められていません。具体的な内容は指導教育責任者か決めます。
・「定められた10項目」を教育すればよいだけで、その時間配分は定められていません。時間配分は指導教育責任者が決めます。

ある会社の現任教育はボーナス支給式と称して隊員をホテルの宴会場に集めます。
そして、各営業所単位で寸劇をやらせます。
ただし、その寸劇の中に「社訓」や「警備員として必要とされる言葉・スローガン」を含めなければなりません。
素人コントの中に「誠実・安全」や「警備員の質の向上」という言葉を入れるのです。
これでも現任教育になるのです。
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c.教育方法 ★2019年改正


イ.教育方法は「講義」と「実技」と「実地教育」

その教育方法は「講義」と「実技訓練」と「実地教育」
・講義とは講師が受講者と対面して教えること。教材としてビデオ映画を使うことはOKです。
・実技訓練とは体を動かして教えること。
・実地教育とは実際に現場に入り、一定の資格者や実務経験者がマンツーマンで教えること。

どの教育項目をどんな方法で教育するかが「施行規則38条2項・3項」で定められています。

例えば、上の1号新任教育では
・①と③→講義、② → 講義または実技、④と⑤ → 講義および実技、⑥~⑩ → 講義および実技

・実地教育は新任教育の業務別教育だけに認められ、その上限時間数があります。
※実地教育は施行規則38条3項(業務別教育)の備考で「施行規則38条4項(新任教育)の対象者(に掲げる者)」について認めています。
  「施行規則38条5項(現任教育)の対象者」については認めていません。
  だから、教育方法として実地教育が使えるのは新任教育の業務別教育だけです。


ロ.教育方法の改正

・講義の方法は「教本、視聴覚教材等必要な教材を用いて行う方法(電気通信回線を使用して行うものを含む。)」と定められています。
  この「電気通信回線を使用して行うものを含む」が2019年内閣布令改正で追加されました。。

・「電気通信回線を使用して行うもの」とは Web 会議やテレビ会議のようなものでしょう。→→→こちら
・Web 会議では受信端末にスマートフォンが使えるので、受講者を一カ所に集める必要がなく、さらに一人の講師で何万人でも教育することができます。
・ただし、対面による講義の方法と同等の教育効果を担保するために、そのシステムが次のようなものでなくてはなりません。
  イ.受講者が本人であるかどうかを確認できるものであること。
  ロ.受講者の受講の状況を確認できるものであること。
  ハ.受講者の警備業務に関する知識の習得の状況を確認できるものであること。
  ※以上のイ・ロ・ハにの詳細は2019年版の警察庁の解釈・運用基準第19-2-(10)~(14)

・そのうち、大手警備会社がそのようなシステムを作って売り出すかもしれません。

・この改正は2020年の東京オリンピックを控えて警備員がたくさん必要なので、警備会社の教育にたいする負担を軽くするものです。

  ※警察庁の主張は
  「現在、各種資格取得時の法定講習等において、電気通信回線を使用した方法により行う教育の規定が設けられ、既に普及が進んでいるところである。
    警備員教育における講義の方法については、これまで、対面による講義の方法に限定されていたところ、
    受講者の利便性の向上等を図る観点から、一定の要件を付した上で、電気通信回線を使用して行う講義の方法を認めることとした。」(警察庁丙生企発第22号(令和元年8月30日)

・もっとも、この方法が使えるのは講義だけで、実技訓練には使えません。
  教育方法として「講義」や「講義または実技」が指定されている教育項目には100%使えますが、「講義および実技」が指定されている教育項目のではその一部でしか使えません。
  ただし、「講義および実技」ガ指定されていても、その配分は指定されていません。だから、別の機会に「不足している実技」の部分をまとめて1時間くらいやればOKでしょう。
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d.教育期と教育時間 ★2019年改正



イ.教育期の改正

教育期とは「いつ教育するか」ということ。

・新人警備員(新たにその警備業務に従事させようとする者)の新任教育 → はその業務につかせる前。
・現警備員(現にその警備業務に従事させている者)の現任教育 → その年度内

・現任教育について従来、1年度(4月~翌3月)を前期(4月~9月)と後期(10月~翌3月)に分け、前期に8時間、後期に8時間の教育をしなければなりませんでした。
・これを、「その年度内に10時間行えばよい」と改正されました。(さらに、後述するように基本教育と業務別教育の区別がなくなり、教育時間も短くなりました)

・これは東京オリンピック・パラリンピック対策。
  オリンピックが7月22日~8月9日、パラリンピックが8月25日~9月6日。その前後を含めて7月~9月に警備員がたくさん必要です。
  今までの前期・後期に分ける教育期だと、2020年3月以前に採用した者には2020年4月~2020年9月までに現任教育(前期現任教育)をする必要があります。
  一番忙しいこの時期に現任教育で1日休まれると警備員が足らなくなる、それで前期・後期の教育期を合わせて教育期を1年にしたのです。
  その結果、2020年度の現任教育はオリンピックが終わってから「2020年10月~2021年3月」の間にゆっくりやればよいことになります。
  ※2020年4月以降に採用した者については「新任教育が現任教育を兼ねる(施行規則38条5項の備考)」ので旧制度でも2020年4月~2020年9月の現任教育は不要。


ロ.教育時間の改正

教育時間は、警備資格(指導教育責任者・検定・機会警備業務管理者)を持っている者、1年以上の警備経験がある者、元警察官、それ以外の者について、
細かく必要時間数が決められています。(警備業法施行規則38条4項・5項)

2019年改正でこの教育時間が短くなりました。
これもオリンピックで警備員が急増するための対策です。
例えば「資格や経験のない者」の新任教育が、「基本教育15時間+業務別教育15時間」 → 「基本教育と業務別教育を合わせて20時間」。
現任教育は「前期に8時間+後期に8時間」 → 「前期・後期を通じて10時間」

※警察庁の主張は、
  「各営業所及び警備業務の現場における警備員への指導教育体制の充実及び警備員の質の向上が図られたことで、
    より短時間の教育で教育目的を達成することができる状況にあること等を踏まえ、
    昭和58年に、警備員に対する指導・教育を充実させること等を目的として公布・施行された警備業法施行規則による規制強化を見直すこととした。」

※詳しくは→→→警察庁丙生企発第22号の新旧比較
※改正対応教育計画書に反映してあります。

     

ハ.新しい教育計画書はいつまでに作ればよいか?古い教育計画書はどうするのか?

改正された警備業法施行規則は2019年10月24日公布、2019年12月14日施行です。
いつまでに新しい教育計画書にしなければならないのでしょう。

・教育計画書は次の教育期が始まる30日前までに作って備え付けておかなければならない。(警備業法施行規則66条3項)
  だから、来年度(2020年4月~2021年3月)の教育計画書は改正時間数に対応したもの(以後、新規格教育計画書)を2020年2月末までに作ればOK。

・それでは、改正施行規則が施行される2019年12月14日からの教育計画書(2019年度教育計画書)はどうなるのでしょう。
  新規格の教育計画書をあらたに作らなければならないのでしょうか?

  この点については経過措置があります。

①.改正前に行われた令和元年度中の警備員教育の教育時間数については、改正後の教育時間数に計上できる
   これは2019年12月14日から新しい施行規則を施行したので、「新たに2019年度の教育(新任20時間・現任10時間)をやり直さなければならないのか?」という疑問が出るからです。
   すでに、「以前の、新任30時間、現任前期8時間・現任後期8時間」がやってあれば「新任20時間・現任10時間」を超えますので2019年度の教育は不要です。
   「現任前期8時間・後期現任は1時間だけした」場合は「現任9時間となりあと1時間だけ教育すればOK」です。

②.改正布令施行日(2019年12月14日)の前に終了した教育期(2019年前期・2019年4月~9月)についての教育計画書はそのまま有効。
   改正布令施行日(2019年12月14日)の前に終了した教育についての教育実施簿ばそのまま有効(改正府令附則第2条第1項)
   だから、2019年度前期の教育計画書と教育実施簿はそのままでOK。
   そして2019年9月1日~2019年12月14日に行った教育(2019年後期教育)の教育実施簿ばそのままでOK。

③.改正布令施行日(2019年12月14日)が属する教育期(2019年後期・2019年10月~2020年3月)の教育計画書は施行日の前日から2年間保存。(改正府令附則第2条第2項)。
   つまり、現在備え付けてある2019年後期の教育計画書は廃棄しないでそのまま2年間保管する。
   これは、「2019年9月1日~2019年12月13日」について教育計画書を作成して備え付けていたことを示すものです。
   この教育計画書がないと「2019年9月1日~2019年12月13日」までは教育計画書がなかったとされて「備え付け書面不備」となります。

④.2019年度(2019年4月~2020年3月)の教育計画書は施行日(2019年12月14日)の翌日から起算して3カ月以内に作成し備え付けること(改正府令附則第3条)
   だから、2020年3月15日までに2019年度の新規格の教育計画書を作って営業所に備え付けなければなりません。
   これが2019年度の教育計画書です。本来施行の日(12月14日)に備え付けられていなければなりませんが、3カ月の猶予を与えたのです。
   2020年度の教育計画書は2020年3月末までに作成されて備え付けられていなければなりません。
   2019年度の新しい教育計画書はそのときに作ればよい(題名と日付だけ変えればよい)としたのです。


結局、2019年3月15日までに備え付けなければならないのは

a.2019年前期(2019年4月~2019年9月)の旧規格教育計画書(新任教育・現任教育)
b.2019年前期(2019年4月~2019年9月)に行った旧規格教育実施簿(新任教育・現任教育)
c.2019年後期(2019年10月~2020年3月)の旧規格教育計画書(新任教育・現任教育)
d.2019年9月1日~2019年12月14日の間に行った旧規格教育実施簿(新任教育・現任教育)
e.2019年度  (2019年4月~2020年3月)の新企画教育計画書(新任教育・現任教育)
f.2019年12月15日~2020年3月31日の間に行った新規格教育実施簿(新任教育・現任教育)
g.2020年度(2020年4月~2021年3月)の新規格教育計画書(新任教育・現任教育)

・fについては直接名言されていませんが、①を反対解釈すると改正布令施行後は新規格の教育実施簿が必要となります。
  もっとも、改正で変わったのは「教育期」と「教育時間の削減」で教育内容については変わっていません。
  だから、今までの教育実施簿と同じで新たに作り替える必要はありません。だから言及しなかったのです。


2020年4月以降の立入ではこれがチェックされることになります。

・a~dは「今ある書面をそのまま残しておけばよい」のだから問題なし。
・fは「今までの教育実施簿が使えるから」問題なし。
・gは新たに作るのだから忘れることはない。

注意しなければならないのばe。
・「改正で前期と後期が合わさったけれど、2019年前期と後期の教育計画書があるから問題ない」と考えて、2019年度(本年度)の新規格教育計画書を作らないこと。
・「備え付け書面不備」で指示処分になったら県警のホームページで公開されます。
  本年度(2019年度)については「旧規格の教育計画書と新規格の教育計画書の二つが必要となる」ことを忘れないようにしてください。

2019年改正対応の教育計画書のサンプルは「f.教育計画書・教育実施簿作成上の注意」の項にリンクがあります。
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e.教育実施者(警備員の教育ができる者)-指導教育責任者以外の者も教育をすることができます。


「基本教育は指導教育責任者または当該教育についてこれと同等の知識経験がある者として国家公安委員会が定める者が行う」(警備業法施行規則38条2項(備考1)
「…業務別教育のうち実地教育は2年以上継続して当該警備業務に従事している警備員も行える」(警備業法施行規則38条3項)

そして、平成8年国家公安委員会告示第21号-警備員教育を行う者などを定める規定は「国家公安委員会が定める者」を定めています。
・①.指導教育責任者資格者証保持者(基本教育・当該業務別教育)
・②.1級検定合格証明書保持者で警備員の指導及び教育について十分な能力を有すると認められる者(基本教育・当該業務別教育)
・③.2級検定合格証明書保持者で、交付を受けた後、継続して1年以上警備業務に従事しており、
     かつ、警備員の指導及び教育について十分な能力を有すると認められる者(基本教育・当該業務別教育).
・④.基本教育を行うについて十分な能力を有する者として公安委員会があらかじめ指定する者(基本教育)
・⑤.業務別教育を行うについて十分な能力を有する者として公安委員会があらかじめ指定する者(業務別教育)
・⑥.機械警備業務管理者資格者(機械警備業務に係る業務別教育)

つまり、次の者が警備員教育を行えます。

a.指導教育責任者・選任(基本教育・当該業務別教育)
b.指導教育責任者資格証保持者(基本教育・当該業務別教育)
c.1級検定合格証明書保持者で警備員の指導・教育に十分な能力を持っていると認められる者(基本教育・当該業務別教育)
d.2級検定合格証名所保持者で、継続して1年以上の業務経験があり、警備員の指導・教育に十分な能力を持っていると認められる者(基本教育・当該業務別教育)
e.その警備業務に継続して2年以上の業務経験がある者(新任教育の業務別教育のなかの実地教育)※実地教育は新任教育にしか認められていません。
f.基本教育を行う能力が十分にある者として公安委員会があらかじめ指定する者(基本教育)
g.業務別教育を行う能力が十分にある者として公安委員会があらかじめ指定する者(業務別教育)
h.機械警備業務管理者資格保持者(機械警備の業務別教育)

cとdについて「警備員の指導・教育に十分な能力を持っていると認められる」とは「誰がどのようにして認める」のでしょう。基準が曖昧です。
社会通念上よほどのことがない限り、「検定1級持ち」と「1年以上警備業務を行っている検定2級持ち」は警備員教育ができる者になるでしょう。

fとgについての公安委員会の指定については→→→こちら
大学・短大の教授・助教授、弁護士、医師,看護士,救急救命士などで、事前に公安委員会に申請し、
公安委員会が期限付きの指定書を公布して指定する。
     

f.教育計画書・教育実施簿作成上の注意


教育時間・教育項目・教育方法・教育担当者など「教育に関すること」は警備業法施行規則38条に定められています。
このとおりに教育計画書を作らなければなりません。

定められた教育項目にどれだけの時間を割り振るかは自由です。
しかし、教育計画を作った自分以外の者が教育をする場合もあります。
全項目に均等に時間数を割り振るのが無難です。

実際の教育は教育計画書どおりにやらなければなりません。
教育担当者として教育計画書に記載されていない者が教育することはできません。
記載されていない者に教育をさせるには教育計画書を「変更」しなければなりません。
教育担当者欄に「〇〇〇〇」(平成〇年〇月〇日追加」と書き加えればよいでしょう。

教育実施確認書の各教育項目の教育時間数は教育計画書の各教育項目の教育時間数と一致していなければなりません。
「教育計画書に基づいて教育する」のだから当然のことです。
「実際に教育した各教育項目の教育時間数」が「教育計画書の各教育項目の時間数」を超えているか必ずチェックしましょう。
「立ち入り」前には必ずやっておかなければならないことです。

また、教育実施確認書は教育が終わったその日に作成しておきましょう。
「やろう、やろう」と先のばしにしていると、「いつやったのか、誰が参加していたのか、何時から何時までやったのか」などを忘れてしまいます。


2019年改正布令対応教育計画書の例(エクセル)
※具体的な教育内容は変えてください。
※警備会社名,指導教育責任者名,教育実施者名を記入してください。
※教育項目についての教育時間も記入してください。
※年度・作成日を変更してください。
※新しく作った当方の教育計画書の個別教育時間数を消したものです。
  内容について公安委員会や所轄警察署のチェックを受けていません。記載間違いがあっても一切の責任は取りませんのでご了解ください。
  教育事項や教育時間数を必ずチェックしてください。

教育実施確認書の例(ワード)→新任基本1・ 新任基本2・ 1号新任業務別1・ 1号新任業務別2(実地)2号新任業務別12号新任業務別2(実地)1号現任2号現任
※ワードの場合は開いたあと「表示 → 文書の編集」
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3.警備員指導-指導計画書


a.指導計画書だけ作って備え付ければOKだけど…。


警備員の教育については警備業法施行規則38条で、「種類・内容・方法・時間・時期・担当者」など事細かに決められています。
しかし、指導については次のことだけしか定められていません。

・指導教育責任者が指導計画を立てて、指導計画書を備え付ける。(警備業法施行規則66条1項4号)
・指導計画書は指導を実施した日から2年間備え付ける。(警備業法施行規則66条2項)
・指導教育責任者は指導を行い指導の記録を作成する。(警備業法施行規則40条1項1号)

「いつ、どんな指導をするのか、指導教育責任者以外に誰がやれるのか」は定められていないのです。
警察庁の解釈・運用基準にも触れられていません。

結局、

・指導教育責任者は指導計画を立てて指導計画書を備え付ける。
・指導計画書により指導を行った場合は、その後2年間その指導計画書を備え付ける。
・指導教育責任者は指導を行う。
・指導教育責任者が指導を行った場合はその記録(指導実施確認書・指導実施簿)を作る。(その記録を「備え付ける」とは言っていません。)

つまり最低限、
・指導教育責任者は指導計画を立てて、指導計画書を備え付ければOK。

・その指導計画書に基づいて、指導を行った場合にはその記録(指導実施確認書)を作らなければならないけれど、
  指導しなければ、そんな書類は作らなくてもよい。
・また、指導した場合でもその記録(指導実施確認書)を作らなければならないけれど、備え付けなくてもよい。
  備え付けておかなければならないのば指導計画書だけ。

結局、「指導計画書だけ作って備え付けてあればOK」ということになるのです。

ただし、「指導をすること・指導した記録(指導実施確認書)を作成すること」は指導教育責任者の職務ですから(警備業法22条1項・施行規則40条)、
指導教育責任者は「指導しない・指導実施確認書を作らない」と警備業法違反となります。

警備業者も「指導教育責任者を通じて指導・教育・監督をしなければならない」(警備業法21条2項・22条1項)ので警備業法違反になります。
罰則はありませんが、警備業法違反である以上「それなりのペナルティ」はあるものと覚悟してください。


b.都市伝説-「指導計画書は来月分を今月末までに作成・少なくとも1カ月に一度隊員を指導」


指導教育責任者の皆様はこんな「定め」を聞いたことがあるでしょう。

私は以前所属していた警備会社営業所の選任のときも、開業してからも、
毎月末までに来月分の指導計画を作り、その指導計画に基づいて毎月一度は隊員を指導しています。

しかし、そんな決まりは施行規則にも「警察庁の解釈・運用基準」にもないのです。
いったいこの「世間の定め」はどこから出てきたものなのでしょう。


c.指導計画書・指導実施確認書


指導計画書に書かなければならない事項はなど決められていないから、「これを指導するゾ!」のようなものでもよし。

「毎月、指導計画書作成・各隊員を指導」は少々しんどいので、「春・夏・秋・冬で指導計画書を作り・各隊員を指導」が妥当でしょう。


指導計画書の例
指導実施確認書の例



つづく。




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