SPnet 選任業務編

8.警備員教育-新任教育・1号業務別教育一日目レジュメ案

四話連続ドラマの三日目です。
新任警備員は基本教育の二日間でやる気になっています。
「今日は何を教えてくれるのか」と興味津々です。
このやる気を加速させなければなりません。

業務別教育の内容は基本教育より具体的になります。
実際の業務や実例を取り上げたり、実技にウエイトを置いたりして新任警備員のやる気を加速させましょう。

※参考文献:施設警備業務の教本・2級(全国警備業協会編集・第10版)→以下では“2級教本”。

1.警備業務対象施設における人または車両の出入りの管理の方法に関すること-講義及び実技-3時間

a.出入り管理とは何か

・一般人は防災センターから施設に入ったことはありません。
防災センターという言葉さえ知りません。
まずは出入り管理とは何かを説明しましょう。

b.出入り管理の目的

・『なぜ出入り管理をするか?』
・受講生の答え→不審者が入るのを防ぐ、不審物の持ち込みを防ぐ、不正持ち出しを防ぐ。

・『不審者とは何か?』
  受講生の答え→施設内の物(商業施設では商品)を盗ろうとする者・施設を破壊しようとする者・施設内の人に危害を加えようとする者。

  
受講生に「施設内の情報を盗ろうとする者もいる」ことを気づかせる。

  
実例→バックルームに入り大型テレビを堂々と持ち去る・日本刀を持って宝石店に立てこもった男
   頼んでもいないのに施設を点検・修理して代金を請求する者もいる。→実例→法外な値段で消火器を売りつける。

・『不審物とは何か?』
  凶器・爆発物・カメラ・パソコン・フラッシュメモリー(記録媒体)→『なぜ不審物なのか?』

・不正持ち出し
  実例→防災センターから三年間にわたって商品を持ち出した従業員。
  情報の不正持ち出し→店長でも自分のパソコンを持ち込めない。

・『出入り管理の目的はまだある。何か?』
  記録を残すこと→どんな時に役に立つか?→事件・事故が発生した時に誰が犯人なのか何が原因なのかを知る資料となる。

・“出入り管理とは・出入り管理の目的“まとめ

「出入り管理とは、
  対象施設における人・者・車両などの出入りをチェックすることによって、いつ・だれが・どこに出入りしたかを管理し、
  施設内からの情報漏洩・契約行為のない保守業者による不法点検、施設関係者の内部犯行、危険物の持ち込みといった、
  犯罪や事故を防止すること」(二級教本)

c.出入り管理の方法

・人の出入り管理

  従業員かどうかのチェック→身分証明書・社員バッジ→社員バッジは従業員が多く身分証明書を細かくチェックできない場合に使う。→磁気カードが多く使われている。
 
  来訪者のチェック→入店章と出入り管理簿への記帳が一般的。
  出入り管理簿には「来訪者の氏名・入店証番号・行き先・要件・入った時間・出た時間・入店証返却の有無・取扱者」を書く。
  出入り管理簿は本人に書かせることが必要→『なぜか?』→記帳しているときに相手を観察できる、本人の自筆が残り証拠となる。 
  
  ※入店章と来訪者パスを渡す場合もある→入店章番号、入店章を渡した者、入店時刻、退店時刻、入店者氏名・住所・会社名を書く。用件先の担当者に「会ったこと」の確認印をもらう。

  相手が本人かどうかのチェックが必要→身分証明書・社員章・運転免許証でチェック→名刺数枚でもチェックできる。

・人の出入り管理での注意点

  顔見知りの従業員が身分証明書・社員バッジ・カードを忘れてきた場合はどうするか?
  来訪者が本当にその用件で来ているのか・アポがあるのかをチェックする→どうするか?
  工事業者・清掃業者は事前に作業届出す→作業届がなければ入店させない。

・物の出入り管理

  従業員入店時→従業員に対する手荷物検査は行われないのが通常→通常でない場合は要注意。
  従業員が持ち込む物はチェックする。持ち出す時に店の商品ではないという証明。→持ち込み票。

  従業員退店時→手荷物検査を行う→馴れ合い・形式的では無意味→しかし、鞄の中まで調べることはできない→従業員の態度に注意する。
  一斉・徹底検査もある。
  従業員が買い物をした時は、レシートにレジ係の印鑑を押してもらい、防災センターで警備員のチェックを受けて、従業員買い物済み置き場に置く。

  検挙実例→作業場から商品を持ちだしたアルバイト
  従業員ルール→入店手続前・退店手続後にはバックルームに入れない→検挙実例

  来訪者入退店時→従業員入退店時と同じ。

  警備員へのチェック→警備員が一番危険→驚きの実例→『どうすればいいのか?』→疑いの目を忘れるな。

  手荷物検査自体は不正持ち出しにあまり効果はない→防災センター前を通らずに持ち出す
  →「警備員がチェックしていること」が心理的に不正持ち出しにブレーキをかける→馴れ合い・甘さは厳禁。

・※車両の出入り管理

  工場・企業施設では事前に入場証・ステッカーを発行する
  入場証・ステッカーがない場合は人の場合と同様な手続を行う。
  商業施設では入場証・ステッカーを発行しない場合が一般→人の入退店、物品の搬入・搬出は来訪者と同様なチェックを行う。 
  車両で不正持ち込み・不正持ち出しをするのは物だけではない、車両で運ばれる人にも注意。

・出入り管理の心構え

  「この施設は厳しいんだ」と思わせることが必要→キビキビとした動作・威厳が必要→ヘラヘラと世間話をするオッサン警備員は守衛サン。
  危機意識を持つ→防災センター前の立哨で入り口に背中を向けてせっせと拭き掃除をする警備員→今、暴漢が入り口から乱入してきたらそれを防げるのか?
  言葉使い・態度に注意→来訪者にとって防災センターの警備員はその施設の第一印象。
  実例→アルバイトや業者に横柄になる警備員

※以上では商業施設での出入り管理に重点を置きました。工場・企業・公共施設では現場のやり方を説明してください。

d.出入り管理実技

・検定2級実技・出入り管理の方法をアレンジして行う。
・来訪者への礼節・言葉使い・身分証明書のチェック・来訪者の動向監視・持ち込み品チェックのやり方・持ち込み禁止品のチェック・預かり方を教える。

2.巡回の方法に関すること-講義及び実技-2時間

具体的な巡回方法は実務研修で行うので、巡回の目的と警備員自身の身を守ることを教える。

a.商業施設での常駐警備員の巡回-営業時間内の巡回

・目的@→不審者・不審物の発見.

  通常でない人・物を発見する→万引き・盗撮・痴漢・恐喝・傷害・殺人・飛び下り自殺・異物混入・企業脅迫。
  何でも起こる→数々の実例。
  犯罪は店内だけではない→バックルームに要注意→実例:800万円のタバコ盗難。

・目的A→事故防止

  実例::子供の火遊びで全店丸焼け。
  防火扉のチェック。
  水濡れチェックと対処方法。

・目的B→一般客に安心感を与える。

  威厳と安心感を与える巡回姿勢が必要。
  一般客を不快にさせない→警備員の人となりで決まる。

b.商業施設での常駐警備員の巡回-営業時間外の巡回

・目的@→不審者・不審物の発見

  入り待ち・自殺・無届け残業

・目的A→火災防止

  ガスの元栓締め確認・電気コンセント抜き忘れ。

・巡回方法

巡回前→申し送り事項の確認・鍵持ち出し記帳・相勤者のチェック・装備品確認・残業届や作業届の確認・相勤者への巡回出発報告

巡回時→施錠確認方法・室内に入る方法・室内の確認方法・窓の施錠確認・トイレ内の確認・階段を上る時下りる時。
不審物を発見した時・屋外巡回時・不審者との遭遇対処

巡回後→鍵返却記帳・相勤者のチェック・相勤者への報告・申し送り記帳

・巡回実技

  室内へ入る場合、室内の検索・室外へ出る場合・階段の昇降。
※巡回方法をしらない現場警備員が多い。

3.警報装置その他当該警備業務を実施するために使用する機器の使用方法に関すること-講義及び実技-2時間+α

a.各種センサーの説明(参考:機会警備業務管理者講習教本・全国警備業協会編集・2版2刷)

・外部からの侵入を感知するもの→マグネットスイッチ・ガラス破壊センサー・振動センサー
・人の動きを感知するもの→赤外線パッシブセンサー・赤外線アクティブセンサー・超音波センサー・電磁波センサー
・火災を感知するもの→熱感知器・煙感知器・ガス漏れ感知器・炎感知器

b.実技-無線機の取扱方法

・呼び出し・再呼び出し・呼び出し中止・応答・不確実な呼び出しに対する応答・通話の反復を求める・通話の終了・混信の措置・一斉呼び出しなど。

※正式な手順・文言を知らず、自己流で無線通話を行っている警備員が多く見られます。
他社との合同警備の機会もありますので、正式・共通の無線機操作手順をしっかりと教えましょう。
貴重品運搬警備の教本2級(全国警備業協会編集発行・9刷)を参考にしてください。


これで、新任教育三日目が終了です。
新任教育四日目は「不審者を発見した場合に取るべき措置に関すること」と「その他当該警備業務を適正に実施するため必要な知識及び技能に関すること」です。
四日目を実地教育で行う場合の注意点も説明します。


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